体重は変わらないのに「太った気がする…」と感じたら、顎周りが大きくなったサインかもしれません。
顔の印象を大きく左右する「フェイスライン」。顎周りが大きくなると、全体的に太った印象を与えます。
痩せている人でも余分なお肉がついてしまう顎ですが、自宅でできる解消方法があります。
二重あごの原因ともなる顎周りをスッキリさせるために、ストレッチや日頃の習慣から体質ケアまで、顎痩せに効果的な方法をお教えします。
顎周りを大きくしてしまう5つの理由
顎痩せ方法を紹介する前に、まずは顎が大きくなる原因から見ていきましょう。
体重が増え、身体が肥満体型に近づけば、当然ながら顎も大きくなります。
問題は、「痩せているのに、二重あごになってしまう」こと。
この場合、単にダイエットをするだけでは顎は小さくなりません。
顎は身体の中で起きている変化が現れやすい部分です。体型維持ができている方ほど、顎は身体が発するサインを気づかせてくれる部分になります。
普段の生活を思い浮かべながら、顎周りにお肉がつく5つの理由を読んでみてください。
1.顔の脂肪が首周りに下がった
加齢に伴い、顔についていた脂肪は徐々に下へおりていきます。これは、「顔の皮膚のたるみ」が原因。
顔の筋肉の衰えから下がった脂肪は顎周りに溜まってしまい、二重あごになってしまうのです。
20代後半から徐々に顔がたるみはじめ、40代に入ると自分でも分かるほどフェイスラインに変化が起きるのが一般的。ハリのある肌に必要なコラーゲンが減りはじめ、弾力が失われ、たるみが加速していきます。
「見た目体型は維持できているのに、年齢を感じさせる顎周り…」
二重あごの自分を見てそう感じてしまった場合、身体の内側から頬にハリを出すアプローチを取り入れていきましょう。
2.首や顎周りの筋力低下
顔のたるみだけでなく、首や顎にある筋肉が衰えても、フェイスラインはぼやけてきます。
顎周りには「広頚筋(こうけいきん)」「顎舌骨筋(がくぜつこっきん)」「甲状舌骨筋(こうじょうぜっこつきん)」など、様々な筋肉が集まっています。
二の腕や腹筋と同じく、鍛えなければ筋力は落ちるもの。加齢だけでなく日頃の姿勢や習慣にも筋力は左右されるので、顎周りの筋肉を衰えさせない工夫が必要です。
3.表情筋の衰え
顔には30種類以上の筋肉が集まっています。中でも「口輪筋(こうりんきん)」や「頬筋(きょうきん)」はフェイスラインと深く関係してくる箇所。意識して鍛えないと口元で顔の脂肪を支えられなくなります。
さらに、表情筋の衰えはほうれい線の原因にもなり、たるみとほうれい線が重なると実年齢よりも上にみられてしまいがちです。
表情筋は、日常生活では30%ほどしか使われていません。意識的に動かさないと筋力低下が進みやすい部分でもあります。顎周りにお肉がたまってしまう前に、表情筋を鍛える生活習慣の見直しはとても大切なポイントです。
4.顎のむくみ
顎周りのむくみは二重あごの原因となります。
むくみは、余分な水分が身体の中で滞ってしまう状態。水はけの悪いグランドは、雨が降ったあとにいつまでも水たまりが残るように、むくみは「身体の中の水たまり」ともいえるでしょう。
身体の水はけが悪くなるのは、生活習慣と大きく関係しています。
・水分や塩分の摂り過ぎ
・アルコールの過剰摂取
・排泄を促すカリウムの低下
・運動不足
・長時間同じ姿勢でいる
など、身体に良くない習慣の積み重ねが顎周りのむくみにつながります。
5.リンパのつまり
身体には必要な栄養を届け不要な老廃物を回収する「リンパ」が流れています。老廃物は「リンパ節」でろ過され、必要な栄養だけが身体をめぐる状態をつくっています。
このリンパ節に老廃物が溜まってしまうとリンパの流れが悪くなり、むくみや脂肪の原因となります。
顎周りから耳の後ろ、首にはいくつものリンパ節があり、リンパ節の詰まりが二重あごを引き起こしてしまうのです。
フェイスラインを崩さないためには、リンパが滞りなく流れる状態に身体の内側を整えることが大切です。
見た目年齢を下げる「二重あご」の解消法
では、顎痩せにはどのようにアプローチするべきでしょうか。
顎痩せは大きく分けると、
・顎についてしまった余分なお肉を減らす
・顎に余分なお肉が付きにくい状態に身体を整える
この2つが大切です。
顎周りを大きくしてしまう5つの理由にも挙げましたが、「二重あご」と「日頃の習慣」には深い関係があります。
生活習慣を見直すことで、フェイスラインが整っていくのです。
顎痩せの実践は、シャープな美しい顎を取り戻すだけでなく、身体の不調を和らげることにもつながります。
自宅でもできる顎周りのたるみや脂肪撃退法を実践しながら、美しさも健康も手にしてください。
顎痩せアプローチ1.顎周りの筋肉を鍛える
スッキリしたフェイスラインを手に入れるには、顎周りの筋肉を鍛えましょう。
顎の筋肉を鍛えるには「オトガイ筋」の強化が最適です。オトガイ筋は下唇と顎の間にある筋肉。顎の先が引き締まり、たるみの解消につながります。
背筋を伸ばし顔をまっすぐ前に向け、ゆっくりと真上を向いていきます。顔が真上に向いたら下唇を突き出し、その姿勢を3~5秒間キープ。ゆっくりと元に戻します。この動作を1セット3回、3セットほどおこないましょう。
続いて「広頚筋(こうけいきん)」。
広頚筋は顔と首の付け根あたりにある筋肉です。鍛えることで首のシワ予防にもつながります。
背筋をまっすぐ伸ばし、ゆっくりと顔を真上に向けていきます。天井が水平になるくらいまで顔を向けた姿勢で3~5秒間キープしゆっくりと戻します。この動作を5回ほど繰り返しましょう。勢いをつけず、ゆっくりと行うことで広頚筋にしっかりと負荷がかかり、エクササイズ効果が上がります。
顎痩せアプローチ2.ストレッチ
顔のたるみを抑え首周りのこりをほぐすにはストレッチが効果的です。
背筋をまっすぐ伸ばし、顔を前に向け少しだけ顎を引きます。首をゆっくりと右に向け、横を向いたまま10秒キープ。ゆっくりと元に戻し、左側も同じ動作を繰り返します。これを5セット繰り返しましょう。
続いて「胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)」。胸鎖乳突筋は首を曲げたり回したりするための筋肉です。耳から鎖骨にかけて、左右両側についています。胸鎖乳突筋の周りにはリンパ節がたくさんあるので、ほぐすことで「顔のむくみ」や「フェイスラインのたるみ」の解消につながります。
背筋をまっすぐ伸ばし、顔を真正面に向きます。猫背な人は首が前に出ている傾向があるので、正しい位置に戻すように意識しましょう。
右手を左肩に乗せ、首を右側に傾けます。首の左側がしっかりと伸びたところで5秒キープ。元の状態に戻して反対側も同じ動作を繰り返します。5セット繰り返したら完了です。
顔のたるみや首コリをほぐし、スッキリとしたフェイスラインを手に入れましょう。
顎痩せアプローチ3.むくみの解消
続いては、顎周りのむくみを解消について。むくみをとるにはストレッチやマッサージも効果的ですが、最も大切なのは「習慣の見直し」です。日常のちょっとした習慣を見直すことで、「むくみにくい身体」をつくりましょう。
むくみ対策1:食生活の見直し
■食事はしっかりと噛んで食べる
まずは食生活の見直しから。
表情筋を引き締め顔のたるみを防ぐには「よく噛んで食べる」ことがポイントです。1口入れたら「30回噛む」のが理想。
しっかりと噛むことで
・食材の旨味成分が引き出される
・満腹中枢が刺激され過食が防げる
などの効果もありダイエットにも最適。余分な脂肪がつきにくくなり、一石二鳥の効果です。
■塩分を抑えた食事をとる
味付けが濃いものばかり食べていると、塩分を摂り過ぎてしまいがちです。身体は体内の塩分濃度を一定に保つために水分をため込みます。身体に塩分が増えればその分だけ、水分がたまり、むくみの原因となるのです。
塩分を控えるには
・外食の回数を減らす
・ブロッコリーやトマト、キウイ、バナナなど、塩分を排出する「カリウム」が多く含まれた食材をとる
この二つを心がけることから。ただし、カリウムは身体を冷やす効果もあるので、冷え症の方は要注意。トマトを食べ過ぎたことで血行がさらに悪くなり、むくみが酷くなってしまうことも。
冷えやむくみは体質とも関係が深いので、自分がどんな体質なのかを知ると、食事改善がスムーズです。
■水分代謝を促す食材を選ぶ
不要な水分を身体の外側に出し、顎周りのむくみをスッキリさせましょう。
水分代謝を高めるには、水分を外に出すだけでなく、「身体を温め血行が良くなる食材」「気のめぐりを良くする食材」も取り入れることが大切です。
・利尿作用が高い食材:豆類(小豆、緑豆、大豆など)、野菜類(きゅうり、とうもろこしなど)、魚介・海藻類(海苔、アサリなど)
・血行を高める食材:野菜類(玉ねぎ、人参、納豆、ショウガなど)、スパイス(ターメリック、クミン、コリアンダーなど)、魚介類(サケ、アジ、イワシなど)
・気のめぐりを良くする食材:香味野菜(シソ、セロリ、ミント、パクチーなど)、柑橘類(柚子、ミカンなど)、梅干し、レモン
むくみ対策2:運動
身体の代謝を高めることは顎痩せにも効果的。加齢に伴う代謝の低下をおさえるためにも「運動習慣」をつけましょう。
ジョギングやストレッチなど「軽めの運動」を取り入れた方が良い人もいれば、筋肉トレーニングなどの「ハードな運動」で代謝機能を整えた方が良い人もいます。
違いは「身体の状態」です。
タオルを絞るちからでガーゼを絞ると繊維を痛めてしまいます。ガーゼを絞る力でタオルを絞っても水はけがよくありません。
身体も同じく、ハードな運動では身体を痛めてしまう人もいれば、軽めの運動ではスッキリしない人もいます。
運動も、体質との結びつきが強いものなので、自分の体質をしっかりと把握するのが良いでしょう。
むくみ対策3:生活習慣の改善
日常のちょっとした習慣が、顎痩せ美人をつくります。
■スマホを見過ぎないようにする
「気がつけば1時間もスマートフォンを見ていた」なんてことはありませんか?
スマートフォンを見るときは、つい前かがみの姿勢になりがちです。下向きで猫背の状態が続くと首の正面に脂肪がつきやすくなり、二重あごの原因となります。
真正面を向いた状態でスマートフォンをみる。長時間の使用は控えるなど、スマホの使い方を工夫しましょう。
■姿勢を正す
姿勢が歪むと血行が悪くなり、老廃物が残りやすくなります。顎周りのむくみや脂肪を蓄えないために、「脚は組まない」、「背筋を伸ばす」など、正しい姿勢を心がけましょう。
■お風呂に浸かる
忙しいからとシャワーだけで済ませていませんか?
身体の汚れを落とすだけならシャワーでも良いのですが、身体を芯から温めめぐりを良くするには、お風呂に浸かるのが効果的。
顎周りのむくみを解消するには、半身浴ではなく全身浸かるのが理想です。
■よく笑おう
表情筋を鍛えることも顎のむくみ解消に役立ちます。
最も手軽にできる表情筋のトレーニングは「よく笑う」こと。
親しい人との時間を積極的につくり、思う存分会話を楽しみましょう。
楽しい時間は気がはれ気のめぐりも良くなるので、むくみの解消がさらに進むメリットも。
顎痩せアプローチ4:リンパの流れを整える
むくみの原因となる「老廃物の滞り」をなくし、フェイスラインをスッキリさせましょう。
■自宅でできるリンパマッサージ
・両手をグーにし、顎の中央におきます
・顎の中央から耳の裏側にかけて人差し指で押していきます
・両耳を上下左右に引っ張りながら深呼吸。30秒以上かけてじっくりおこなうと、首周りのコリがほぐれてきます
・耳の裏側から鎖骨をめがけて指でなぞればマッサージの完了です
■プロに相談するのもひとつの方法
当サロンでは、フェイスラインを整える「小顔矯正」、首周りの美しさを引き出す「首美矯正」など、顎痩せにピッタリなコースを用意しています。
「セルフケアを試したけれど上手くいかない…」
という方は、一度ご相談ください。
顎痩せアプローチ5.体質を整える
顎痩せは、たるみやむくみ、脂肪を取り除くだけでは不十分。「むくみにくい体質」に整えていくことも重要です。
■二重あごの解消に効果的なツボ
・頬車(きょうしゃ):耳の付け根とエラの間くらいにあるツボです。指の腹部に力を入れ、円を描くように5秒間刺激します。1日5回ほどおこないましょう
・上廉泉(かみれんせん):顎の真下の少しへこんだ部分にあります。親指で10回ほど刺激をしましょう
■体質チェック
体質は「身体の内側の性格」。暑さに弱い、寒さに弱い、ニキビができやすいなど、身体の特徴と強い結びつきがあります。
自分はどんな体質なのかを知っておくと、顎痩せに効果的なむくみの解消方法が見つけやすくなります。
人から薦められた顎痩せ方法が合わなかった人は特に、体質を知ることからはじめましょう。
自分に合うやり方で顎痩美人を目指そう
顎痩せには「たるみを防ぎ、むくみをなくす」ことが効果的です。
そのためにはセルフケアでできることもたくさんあります。
自宅で顎痩せアプローチをはじめる前に、自分に合うやり方を見つけてから取り組むのがおすすめです。
「体質チェック」は自分の「身体の性格」を知るはじめの一歩。
自分の内面を知った上で、横顔も美しい顎痩せ美人になるためのアプローチをはじめましょう。
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